その後、しばらくはNEFILEで検索、閲覧等を行っていましたが、やがてシステムの老朽化により、新システムへの移行という課題が持ち上がりました。システムの移行にあたっては、将来にわたり長期間のデータ保管ができること、NEFILEに登録したデータを完璧に移行できることなどの条件が挙げられ、検討の結果、データ移行がスムーズに行えるNECマグナスコミュニケーションズの「FilingStars」を導入いただくことになりました。 その後、NEFILEに登録されたデータをお預かりして、データの変換作業を行い、NEFILE上で行われた公文書・商文書・雇文書・古文書・簿記録・日記録・古記録の8分類もそのままの形式で移行し、2〜3ヵ月後には完璧な形でデータ移行が完了。2005年から、新たにFilingStarsによる古文書の管理・閲覧をスタートされました。 現在のFilingStarsの活用方法について、田中様にお聞きしました。 「見学者の閲覧はもちろんですが、時々、西川産業の十四代目・西川甚五郎会長から “こういう文書が見たい”というリクエストがありますので、検索してプリントアウトしたものと私が現代語に訳したものを作ってお渡しするようにしています。私自身、近江商人の学術研究のために、古文書にあたって調べものなども行っていますね。FilingStarsは毎日活躍していますよ。ただし、私はもう89歳なので、なかなか新しいシステムに慣れなくて。検索やプリントアウトなどの基本操作はできますが、FilingStarsのいろいろな機能まではなかなか使いこなせていないのが正直なところです。“90の手習い”のつもりで勉強しながら試行錯誤しています」。 そのほか、現在は財団の経理関連書類などもFilingStarsで管理を始めているといいます。
今後は、古文書に読みがなをつけて中高生でも内容がわかるようにしたり、ネットワーク化して市の資料館でも古文書を閲覧できるようにしたいなどの目標があるとのことですが、田中様は「それは後継者にお願いする」と笑っておられました。 あらためて田中様に古文書を保管する意義をお聞きしました。 「たとえば、寛文年間の勘定目録を紐解いてみると、“定”として企業理念のようなものが書かれているんです。そこには、“法律を遵守しろ”“薄利で商売しろ”“社員同士仲良くしろ”“世間の皆様に誠実に対応しろ”というようなことが書かれています。“買い手よし、売り手よし、世間よし”で有名な“三方よし”の理念ですね。こうした姿勢が当時の民衆に絶大な人気を得たわけです。200年前の古文書ですが、これらの教えは現代の商売が失いかけている大切なものでしょう。その意味でも、こうした古文書を将来にわたって保管し、研究していくことはきわめて価値のあることだと思っています」。 これまでFilingStarsは、主にオフィスの書類管理に活用されてきました。ところが、学術的価値の高い古文書を将来に伝えていくという目的で活用されている西川文化財団様のケースは、私どもNECマグナスコミュニケーションズにとってもFilingStarsの新たな可能性を教えていただいたように思います。
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